誕生日を機に - MAKING THE ROAD Inc.

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2021.04.06

誕生日を機に

By Chiharu Yoshimura(@chiharu_mtr

誕生日を機に、少し自分の思いを記しておこうと思います。

朝起きて、花の水やりをするようになって1ヶ月程が経ちました。毎朝、じょうろに水をいれ、鉢に注ぎます。朝陽に照らされた花は美しいもので、心をゆっくりと元気に穏やかにしてくれます。
室内の切り花も茎の汚れを洗い流し、花瓶の水を換えます。

ここ数年、私は気持ちを堅くしていました。

仕事のことで悩み、傷つくことが増え、友人に相談したところ、「よく考えずに他人を受け入れ過ぎなのでは?黙っていては何も変わらず、傷つけられるだけだ。嫌なことは嫌だと伝えなければ、ずっと嫌なことを受け入れていることになる。もっと自分を大事にしては?」とアドバイスされました。

そうかもしれないと思い、危険を察知すると、傷つけられる前に、厚く高い壁を築いて耳を塞ぎ、自分を守るようになりました。怖かったけど、勇気を出して嫌だと思ったことは、なるべく伝えるようにしました。今までと違う態度に驚いた人も一部あったようでしたが、自分を守るためには仕方ないと自分に言い聞かせました。

しかし、だんだんと息苦しくなってきました。

私は、他人にも自分にも精神の自由があり、それぞれの価値観や感覚はありのままに尊重すべきだとずっと考えてきました。
それなのに、壁を作って耳を塞ぐことは、自分に合わない考えと態度を遠ざけることにもなり、尊重と逆の態度ではないかと思うようになりました。

この矛盾をどう扱えばよいかわからず悩みました。自分を嫌いになりそうで、苦しくなりました。

ある朝、風に揺れる花を見て、傷つけられることがあっても、人を受け入れられる自分でありたいと思いました。

ただ、壁を築いたことは悪いことばかりでもなく、気づいたこともありました。

1つは、自分がなかなかに敏感で繊細であるということとそれを忘れていたことです。
起業後、大きなやりがいと同時に今まで感じたことのないストレスも増えました。私は誰かの態度や言葉を受け流す機能が弱く、そのまま受け止めて傷付くことも多かったと自分なりに分析しました。
そもそも繊細なのだから、自分にできる、傷を癒す術を知恵として身につけておくべきでした。

もう1つは特技を思い出せたことです。
それは世界とストーリーを作ることです。子供の頃の夢は小説家でした。
私にとってビジネスを作ることは、小説を書くことに代わる新しい創作活動です。なので、人と同じは嫌だし、おもしろいもので人々に楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいという気持ちが強いのだと気付きました。

さらに、良くも悪くも、人は深く考えずに言葉を発していることが多々あること、かつ、人によって言葉の扱い方が異なることです。
これらは当たり前で、理解していたはずなのですが、個性を受け入れながらも傷付くということは、うまく咀嚼できずに消化不良を起こしていたということです。

傷付いたり、悩んだり、喜んだり、様々なことを考えて、考えて、私は曇りのない心で柔軟に考え、清々しく行動したいと考え至りました。
そして、いくつになっても、毎日を懸命に生きていれば、人は成長できるのだと実感しました。

壁の中で、お誕生日のお祝いさえ言わなくなっていた私に、おめでとうをくださったみなさん、本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。

長文を読んでくださって、ありがとうございます。